小さな話

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Carpe diem

最近、ゆえあって日米地位協定について勉強している。これはたしかにほんとうにひどい。こんなことを勉強しはじめると、アメリカという国のずるさや唯我独尊的態度に心から悲しみが湧いてくる。なぜそんなことになるかといえば、やっぱり彼らの中のえらい人た...
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モーセ

ひどく年老いて痩せ枯れた男が、とぼとぼと山を登ってゆく。裸足の足は汚れ 衣の裾はすりきれている。彼はぶつぶつ云っている。「おれがなにをしたというのだ。おれに平和を返してくれ。名誉は豚にくれてやれ。ただ年老いたおれにふさわしい静寂をくれ」 男...
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詩人の魂

神はなぜ詩人の魂をつくったのだろう。たぶん、退屈だったからだ。自分を見て、自分に話しかけてくれる人が欲しかったのだが、祈りをささげる人だけではちょっと足りなかったのだ。神と同じ笑いを笑い、神と同じ風の中で、ぐるぐる回って遊んでいるようなのが...
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ギデオン

しるしなく信じる者はさいわいであるだが幾度もしるしを求め 確かめずには進むことのできぬ者もまたさいわいである信じよ 信じることを疑う者よ神がおまえに幾度もしるしを与え これからも与えることをそしてなにより 神のしるしはもう おまえの魂のなか...
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ひとつのお話

自分のことを考えるときに、いつも思い出すひとつのお話がある。ちょうどいいので、それを書いてみよう。 話を思い出せるくらいだから、昔確かにどこかで読んだのだが、もの覚えが悪いので忘れてしまった。だから、どこに書いてあり作者が誰なのか知っている...