雑記 本物 最近よく思うのだが、人がほんとうに平等を夢見るのなら、最終的には目の見えない人に合わせて全員目が見えなくなるべきだ、という理屈をあくまで押し通すよりほかないのではないか。平等とはつきつめればそういうグロテスクなものだが、そのグロテスクさを芸... 2025.06.08 雑記
雑記 桜坂 桜が咲いた。 今年はあまり天気が荒れないせいか、満開の桜を長く楽しんでいる。やっと春が来た。日差しが温かく、風の寒さもずいぶんやわらいできた。 庭のつげの木の実をヒヨドリが食べに来る。ヒヨドリは食いしん坊らしくて、ほかの鳥は見向きもしないつ... 2025.04.28 雑記
雑記 いま現在の状況 ここ最近、雑誌を書くことをずっとすっぽかしている。わたしは揺れている。わたしはもはや自分の言葉がどこから来るかを知らない。わたしは欲望であったことがない。理性であったことならばいやというほどあるのだが、欲望であったことはまったくない。周りを... 2024.10.01 雑記
雑記 復活 ご覧のとおり、ワードプレスに嫌気が差して一度はやめてしまったが、また元へ戻した。過去の記事もおおむね復活させてある。 ウェブサイトの運営はなかなか難しい問題があって、結局どんな方法を採っても一長一短あり、その中でなにを優先し、なにをやりたい... 2023.09.19 雑記
雑記 楽園への回帰 久々の投稿だが、まだまだ中国にいて、最近、白川静の『漢字の世界』を読みはじめたが、その中に前漢時代に編集された百科事典的な書物である『淮南子』の一文についての解説があり、非常に興味深かった。二、三日前にちょうど『淮南子』を読みはじめたばかり... 2023.09.05 雑記
雑記 白鳥の研究 家のすぐ裏の田んぼは、雪が溶けて大地があらわになるこの時期、北へ帰る旅を間近に控えた白鳥たちの餌場になっている。彼らの一部は我が家の田んぼにいて餌をとっているのであるから、わたしはこれを観察する正当な権利を有すると考え、このところ毎日観察し... 2022.04.08 雑記
雑記 中世装飾写本の魅力 こないだ雑誌にカリグラフィーをはじめた旨を書いたけれども、わたしには十二世紀の北ドイツで写字生をしていた過去がある。なぜ十二世紀なのかは知らない。十字軍の世紀とか、もっぱら修道士が写本の文字を書いていた最後の世紀だからとか、考えられる理由は... 2021.11.11 雑記
雑記 文学者の宿題 9日に、国立能楽堂へ能「蟬丸」を見に行ってきた。公演に先立って、東大名誉教授である松岡心平先生の解説があった。松岡先生の著作をわたしは愛読していて、『宴の身体』や『中世芸能講義』など深い感銘を受けながら読んだけれども、先生は天皇制と日本芸能... 2021.10.11 雑記
雑記 興味深い公演 知り合いの方から、興味深い公演があると教えてもらった。観世流の演能団体である銕仙会が、「ヤコブの井戸」と「長崎の聖母」を今日から週末まで上演する。詳細は公式ウェブサイトを参照していただきたいが、配信サービスがあるので、わたしはそっちのチケッ... 2021.08.14 雑記
雑記 信 引き延ばしというのは人生のあらゆる場面において行われる。引き延ばしは、多く怠惰から来ているものではあるが、肝心なことを引き延ばそうとするのは、たいてい不信が原因である。やったからってどうにかなるはずがないとか、そんなことで事態が変わるとは思... 2021.07.15 雑記