小さな話

Carpe diem

最近、ゆえあって日米地位協定について勉強している。これはたしかにほんとうにひどい。こんなことを勉強しはじめると、アメリカという国のずるさや唯我独尊的態度に心から悲しみが湧いてくる。なぜそんなことになるかといえば、やっぱり彼らの中のえらい人た...
雑記

中世装飾写本の魅力

こないだ雑誌にカリグラフィーをはじめた旨を書いたけれども、わたしには十二世紀の北ドイツで写字生をしていた過去がある。なぜ十二世紀なのかは知らない。十字軍の世紀とか、もっぱら修道士が写本の文字を書いていた最後の世紀だからとか、考えられる理由は...
聖書ノート

トビアの犬

聖書には実にたくさんの美しい物語があるけれども、トビト記はそのなかでも特に美しいもののひとつである。先日書いた、わたしの好きなハンス・カロッサという作家は、子どものころ、学校で計算問題をどうしても解けなかった。また、なぜ聖書の美しいお話のほ...
雑記

文学者の宿題

9日に、国立能楽堂へ能「蟬丸」を見に行ってきた。公演に先立って、東大名誉教授である松岡心平先生の解説があった。松岡先生の著作をわたしは愛読していて、『宴の身体』や『中世芸能講義』など深い感銘を受けながら読んだけれども、先生は天皇制と日本芸能...
小さな話

モーセ

ひどく年老いて痩せ枯れた男が、とぼとぼと山を登ってゆく。裸足の足は汚れ 衣の裾はすりきれている。彼はぶつぶつ云っている。「おれがなにをしたというのだ。おれに平和を返してくれ。名誉は豚にくれてやれ。ただ年老いたおれにふさわしい静寂をくれ」 男...
聖書ノート

聖書ノート:受難の前の苦しみ

ルカ福音書22:39-46 オリーブ山での祈り それから、イエスはそこを出て、いつものようにオリーブ山に行かれた。弟子たちもイエスにしたがった。いつもの場所に着くと、イエスは仰せになった。「誘惑に陥らないように祈りなさい」。そしてイエスご自...
雑記

興味深い公演

知り合いの方から、興味深い公演があると教えてもらった。観世流の演能団体である銕仙会が、「ヤコブの井戸」と「長崎の聖母」を今日から週末まで上演する。詳細は公式ウェブサイトを参照していただきたいが、配信サービスがあるので、わたしはそっちのチケッ...
月刊誌「雪下」セレクション

舞の宛先

これを書きはじめた今日は七月二十四日だが、国立能楽堂へ「鉄輪」を見に行ってきた。安倍晴明生誕一一〇〇年記念だそうである。会場は満員で、若い女性の姿もけっこう見かけた。安倍晴明は、ひとりのキャラクターとして現代文化のなかに完全に定着したのだろ...
雑記

引き延ばしというのは人生のあらゆる場面において行われる。引き延ばしは、多く怠惰から来ているものではあるが、肝心なことを引き延ばそうとするのは、たいてい不信が原因である。やったからってどうにかなるはずがないとか、そんなことで事態が変わるとは思...
雑記

青春期

最近、宗教勧誘に遭う夢を見て、昔、ある新興宗教の系列の道場に行ったことを思いだした。宗教系列といっても、その道場でやっているのは武術であって、剣術や柔術から考え出されたと思われるいくつかの型をつなぎあわせて流れるような演武をするのである。そ...