日記

クマとヒト

ここ数日、フランス・ドゥ・ヴァールの『サルとジェンダー』という本を読んでいた。霊長類学者であるドゥ・ヴァールの本は、人間の道徳心や日常的なふるまいの起源について、いつも興味深い問題を投げかけてくれるが、読んでいるとどうもその内容とはまったく...
読書記

マルクス・アウレリウス

マルクス・アウレリウス帝が急に本棚から話しかけてきたので、自省録を引っ張り出してきて読んだ。で、彼がなにを言っているのかよくわかって、とても驚いた。 マルクス・アウレリウス帝はなんとなく好きな感触のする皇帝だが、彼が自然に従えとか、内なるダ...
読書記

倒木

家の近所に集落の神社があって、観音様を奉ってある。わたしはときどきそこへ行って、何をするでもなくお堂の周りをぶらぶらするのだが、そのお堂の裏手にある古い木が枯れて倒れ、農道をふさいでしまったので、今日役場から作業員が来て、道に倒れた木を細切...
日記

白井晟一

建築家の白井晟一と母方の祖父が知り合いだったことがわかった。 白井晟一は秋田にいくつも作品を残している人だが、どうやら祖父はどこかのタイミングで彼と知り合いになって、東京へ行くたびに家に顔を出すような関係を築いていたらしい。 白井晟一は祖父...

人殺し

わたしはトンネルのようになっている水路の中を歩いている。トンネルの真ん中に川が流れていて、わたしは水路の端のほうにある、片足をぎりぎり乗せられるくらいの幅しかない狭い道を歩いている。その道は川よりずいぶん高いところにあって、左手はコンクリー...
読書記

乙女のあこがれ

ここ数日、『トリスタンとイズー』の物語を読んでいた。騎士トリスタンとアイルランドのイズー姫が、間違って強烈な愛の媚薬を飲み交わしてしまい、そのせいで様々な悲劇に見舞われながら、死ぬまで互いに恋い焦がれている物語で、これを西洋中世の人々がどう...
日記

ルドン

オディロン・ルドンの展示会に行くために、急遽東京へ来た。 オディロン・ルドンのことはとても好きなのだが、彼とわたしは多分同じ夢を見たことがあり、ルドンはそれを絵で表現するが、わたしはそれを文で表現する。最近絵を描きはじめたので、ルドンから学...
読書記

ニーチェ

急にニーチェのことがわかるようになり、ニーチェを読みはじめた。カリール・ジブラーンがこの人のことを絶賛している意味がようやくわかった気がする。どうしてこの男はこんなに芸術家とは何かということがわかるのだろう。『悲劇の誕生』の中でニーチェは、...
日記

桜坂

桜が咲いた。 今年はあまり天気が荒れないせいか、満開の桜を長く楽しんでいる。やっと春が来た。日差しが温かく、風の寒さもずいぶんやわらいできた。 庭のつげの木の実をヒヨドリが食べに来る。ヒヨドリは食いしん坊らしくて、ほかの鳥は見向きもしないつ...
読書記

服の問題

本棚からユングの本が呼ぶので開いてみたら、ユングがインドに行ったときの紀行文のようなものが載っていて、インドの女性服はほんとうに女性の服であるとほめちぎり、西洋の女性服がまったく醜いことを嘆いたあとに、こう書いてあった。 インドでは、女性は...