地方の名家で陰湿な殺人事件が次々に起こる。その家には金髪の小人のような子どもが召使いとして雇われているのだが、犯人はこの子どもなのである。子どもは秘密の狭い出入り口を出入りして自在に家人を殺していたのだ。
わたしと家の奥様と執事らしき男は、子どもの座るテーブルを囲んで子どもを問いつめる。だが子どもは平然としている。悪びれもせず自分がやったことを誇らしげに白状し、ポケットから小さなおもちゃみたいなピストルを取りだして自殺しようとする。わたしたちは必死にそれを奪い返して阻止する。次に彼は小さなナイフを取りだす。わたしたちはそれも取り返すが、彼はまた別のナイフを出して、そいつを飲みこんでついに死んでしまう。
この小人はかなり危険な小人で、この時点では死んでしまったのだが、わたしはこの小人となんとか仲良くなれないかと思っている。小人のほうでは人と仲良くなる気などないだろうから、友だちになるのは難しいかもしれないが、少なくとも死なないで適度な悪さをしながら生きながらえてほしいと思っている。
こういう小人は決して人に飼い慣らされはしないだろうし、改心とか良心とかいうものとも無縁である。これが好き勝手に暴れ回るのも困ってしまうのだが、死なれてもそれはそれで寂しいものがある。いざとなればためらわずに自害してしまうらしいこの小人は、しかしおそらくはすぐに平気な顔をして復活するようなやつでもあって、こいつに標的にされ襲われた地方の名家はたまったものでなかったろうけれども、地方の名家などという、もはやちょっとやそっとのことでは動きそうにないものに対しては、こういう小人のようなやつでなければ騒動も起こせぬということのようである。

