わたしはなにか特殊組織のようなものに所属していて、任務のために川べりにいる。川面は日差しを受けて輝き、川のほとりには葉を落とした裸の木が立っている。
そこへひとりの背の高い白人男性がやってくる。険しい顔つきや、短く刈りこんだ髪など、軍人ふうである。その人はわたしのところへ来て、もし川の向こうにあるスイッチかなにかを押せば、この川は氾濫し大変なことになると云う。そして、わたしにほんとうにそれをしてもいいのかどうか訊ねてくる。だがそれをすることがわたしの任務であるから、わたしはうなずき、そうしてくれという。男性はもう一度念を押すように、ほんとうにいいのだなと云い、わたしは強くうなずく。
すると男性はどこかに消え、次の瞬間、ドドドドドッというような轟音を立てて川に大量の水が流れこんでくる。すさまじい放流で、あたりは瞬く間に水浸しになってゆく。川の水は土色に濁っていて、ちょうど大雨のあとの川のようである。わたしはそれを見て、近くの住人を避難させなければいけないと常識的なことを思うが、なぜか自分がそこから動くことはしなくてもいいようにも感じている。

