わたしは自分の死後に乗ることになる船に案内される。それは不思議な六角形の形をしており、黒ずんだ、ニスを塗った木の枠がめぐらされている。その船は灰色の海の上に浮かんでおり、船の中には色とりどりの美しい花が飾られ蒔かれて、なにやらパーティー会場のような雰囲気さえある。船の隅のほうに居心地のよさそうなくぼみがあって、そこには花が敷きつめられ、わたしは死ぬとそこに横たわるのである。
船の中には客がいて、多くの人たち(みんな助産師などの生殖に関わる人たちである)が白いテーブルクロスをかけたテーブルでシャンパンを飲んでいたり、話しこんでいたり、なにやら賑やかにしている。
わたしは船から海を見つめる。海はゆらゆらと灰色の波を揺らめかせている。空も灰色で、風が吹いている。これは死の船だが、なんという美しい船であろうとわたしは思う。わたしはもうすぐ死ぬのかもしれないが、それは悪くないことだという気もするのである。
古いわたしは死に、美しい船で流されてゆくのである。死んで流されてゆくことは、いつでもよいものである。

