祖父母が使っていた押し入れに、掛け軸の入った木箱がいくつかある。今日なんとなく開けて中を見ていたら、指先で独楽を回す布袋の絵があり、眺めていてなんだか涙が出てくることだった。
どこのどなたが描いたか知らないが、この無心に独楽を回す布袋様の素朴さと純粋さはどうだろう。遊べ遊べ、と布袋様は言っているように見える。小さい小さい、気に病むな気に病むな。こうして指の先で独楽を回すのも、なかなか愉快だよ。
独楽を回すこの布袋様はなんであろうと思って、調べてみたら、同じものは見つからなかったが、こんな絵を見つけた。
仙厓義梵という、1700年代に生きた禅僧の作品である。彼が絵を描き始めたのは40代後半になってからだそうだが、当時から人気のある画家だったらしくて、作品がたくさん残っているらしい。この指の先にちょいと独楽を置いてみたいなどと、わたしでなくても思うのでなかろうか。この脱力と融通無碍と天衣無縫の境地に至るには、まだまだなのである。


