マルクス・アウレリウス帝が急に本棚から話しかけてきたので、自省録を引っ張り出してきて読んだ。で、彼がなにを言っているのかよくわかって、とても驚いた。
マルクス・アウレリウス帝はなんとなく好きな感触のする皇帝だが、彼が自然に従えとか、内なるダイモンの命令に従えとかいうその意味が、よくわかるような歳になったことは喜ばしい。アウレリウス帝が自省録(原題は『彼自身へ』)を書きはじめたのは40代後半になってからのようだが、苦難に充ちた人生を送った皇帝が、自分自身を慰め叱咤するために書いたこの小さな書物は、運命に服従することの重要性を説き、なんとなく東洋の香りを帯びている。読んでいると、なんとはなしに最高の能動は最高の受動から生まれる、というようなことを考える。
ともかく、ここにひとり、新しく頼れる賢人を見つけた。とても喜ばしいことである。

