大太鼓

わたしの家では引っ越しをするらしい。 家じゅうの家具や調度品が取り払われ、部屋はスカスカになっている。わたしは子どもで、ものがなくなってゆく家の中をあちこち見て回る。家具がきれいになくなって、生活感の失われた畳の間に入ってゆくと、しかし壁に...

金髪の小人

地方の名家で陰湿な殺人事件が次々に起こる。その家には金髪の小人のような子どもが召使いとして雇われているのだが、犯人はこの子どもなのである。子どもは秘密の狭い出入り口を出入りして自在に家人を殺していたのだ。 わたしと家の奥様と執事らしき男は、...

友だちの道化師

自分の分析家とオンラインで話しているのだが、分析家にはなにやら提案があって、わたしに黒板のようなものを向けてきて、今日のスケジュールを書いてよこした。それによると、わたしはその日セッションの前に、分析家のやっているワークショップだか、身内の...

ある兄弟の物語

これはある白人兄弟の物語で、登場人物はスーツを着た上流階級の人間なのだが、映像全体になんとなく西部劇の趣がある。 主人公は太った気弱な中年男である。金持ちで、大きな屋敷に住んでいるが、独身で人づきあいもあまりなく、孤独な人生を送っている。彼...

かつて崇拝を受けた女神

これは明け方に見た夢なのか、物語がわたしを訪ったのか定かでない。 ひとりの英雄が、自分の恋人を拐かされて助けに向かう。恋人は絶海の孤島に幽閉されている。そこにはひとりの醜い女の化け物が住んでいるという。英雄がひとり船に乗って島へたどり着くと...

盲目の修道女

わたしは修道女で、なにかのパーティーに出席するために会場に来ている。シャンデリアの揺れる華やかな会場に入って(ただしわたしは相変わらず黒衣の修道女である)、人混みを縫って受付へ向かうと、受付にはわたしの憧れるひとりの修道女が立っている。彼女...

出会いドットコム

わたしは行きつけにしているらしいカフェにいる。非常に広く開放的で、明るい店である。 そこでいつも見かける男性がいる。三十代の後半か四十になっているかもしれない。毎度スーツ姿で、ひょろりと背が高く、なんだか誠実そうな人である。なんの仕事をして...

わたしはとある一軒家で、同年代の男と女と三人でルームシェアをして暮らしている。男はなんだかはつらつとした、元気いっぱいの好青年で、女のほうは髪を背中の半ばあたりまで伸ばした、朗らかな感じの人である。 ある晩わたしたちが家に帰ると、畳敷きの居...

信号が青に

わたしは横断歩道の前に立って、信号が変わるのを待っている。横断歩道の向かい側に、小学生らしい数人の子どもたちがいて、なにか話したりはしゃいだりしている。 その中心に、黒とピンクの服を着た、ひとりの女の子がいた。その子はちょっと太り気味で、太...

大量出血

わたしは大きな病院のなかにいる。周りの人の話によると、わたしはだいぶ長いこと入院していて、なにか手術をしたらしいが、わたしはそのことを覚えていない。 ある日、担当の看護師がパソコンをもってやってきて、わたしにインターネットの書きこみを見せて...