FF7のラスボスであるセフィロス氏が、天井をつきぬけて上昇していた。映像としてはちょっと滑稽なのであるが、彼が天井をつきやぶると、また天井があるのである。だが天井はスポンジか非常に薄い板のようで、彼の上昇する力の前には無力に破けていくばかりなのだ。はじめわたしは彼を見ていたと思った。だがいつの間にか自分の頭が天井をつきやぶっていることに気がついた。わたしは非常に爽快だった。そして無上の喜びを感じた。
セフィロスという名前はカバラーのセフィロート理論からとられている。最終的に彼は天使セラフィムに似た容姿になる。セラフィムは神に次ぐ者である(まだ神ではない)。セラフィムは燃える蛇の意だが、ゲーム中で彼がミドガルズオルムという大蛇を殺すシーンがある。このゲームのベースには北欧神話があって、科学繁栄の象徴的都市の名前はミッドガルであり、ゲームの主人公の故郷はニブルヘイムである。
わたしは神になろうとしたセフィロスに無限の共感を感じていた。彼はゲーム中で、科学者の父親をして「科学を超えた」と云わしめる。彼が自分にとってどれほど大切な象徴であったかはちょっとすぐには云えないほどだが、結局わたしは神になるのをやめた。やめてよかったと思っているし、いまではなんだって神になどなろうとしたのか、よくわからなくなってしまった。

