階段を上り下り

 夢の中で、わたしは実家の古い家の階段を上り下りしていた。階段のわきに、いまはなくなってしまった柱がまだ残っている。わたしは階段を降り、その柱のぐるりをめぐって、また階段を上ってゆく。踊り場の窓から、窓の外に並んだ杉の木のあいだを通してきらきらと輝く木漏れ日が差しこむ。木々のあいだに、祖父の黄色いハンモックが見える。わたしはどれほどあのハンモックに優しく揺られる時間を愛したことだろう。わたしは階段を上り下りしている。