いいわけばかり

 わたしは講義に出席しようとして急いでいる。大学の校舎のようだが、教室に入ってみると、ところどころに見知った中学の同級生の顔が見える。わたしはそれらの顔を避けて、後方の席に座る。
 講義が終わり、生徒たちがぞろぞろと教室を出てゆく。わたしはこの次の講義にも出席するはずなのだが、課題のレポートを書いていないために、出席したくない。そこでいったんは荷物を持って、出てゆく生徒たちの列に加わるが、途中でふと気が変わって引き返してくる。
 教室は多くの机が片づけられて、前方に二、三列残っているだけである。まだ誰も席に座っていないが、前の講義を受講した生徒たちが残していった荷物があちこちにあり、空いている席は一番左端の、前から二列目、三人掛けの真ん中しかない。わたしは仕方なくそこに座り、教科書やノートをとり出して講義の開始を待つ。
 やがて生徒たちが戻ってくる。気がつくとわたしの前の席に中学の同級生Hが座っていて、にやにや笑ってわたしを見ている。彼の横には友人らしい別の男子生徒が座って、同じくわたしを見ている。
 Hはおもむろにわたしに話しかけてきて、前からおまえは変なやつだと思っていた、この教室の135番の席に座るやつは、決まって変なのだ、おまえはさっきその席に座っていたではないかという。
 わたしはなんだかむやみに反論したくなり、荷物を持って席を立ったのちに戻ってくるのは別に変ではない、というようなことを云うが、Hはやはりにやにや笑って、いいやおまえは変だよと云う。彼の隣にいる男子生徒も笑っている。だがそれは人をばかにする笑いでなく、単にからかっているといったふうである。
 そこへ担当教官のFが加わる。現実のFは中学の英語教師だが、この夢では大学の講義を担当しているようである。Fはわたしに例の文章は書けたかと聞いてくる。わたしはある古典作品の登場人物の関係について、なにか書くことを約束しているのである。彼がわたしにどのようなものを書くのか、そもそも書けるのかと訊いてくるので、わたしは話すのでなく書くほうでやらせてくれれば間違いなく書けますよ、いまわからなくても、書くとなるとちゃんとわかっているのだから、と云う。

 次の場面では、わたしは講義を終えて昼食をとろうとしている。だがどこへ行っても誰かに見つかって、わたしがどこそこで食事していたとか、なにかしていたとか云われそうである。それであちこち店をうろつくが、どうも落ちつける場所がなく、そのうちに休憩時間も残り少なくなってゆき、なぜわたしは自分の行動にこうも云いわけしながら行動せねばならぬのかと思う。