若いインテリ

 わたしは古巣の小説教室に戻り、同人誌に作品を発表した。以前からいた人たちのほかに、新しい若い人たちも入会しており、わたしは教室の盛況ぶりに驚いた。わたしの小説の合評をする日が来て、教室へ行ってみると、すでに大きな黒板に、各自コメントを書いていた。従来のメンバーは、よくぞ教室に帰ってきてくれた、あなたの小説はやっぱり素晴らしいというようなことを書いているが、新しい若いメンバーのコメントは、村上春樹みたいだとか(村上春樹は、文学観からいえばおそらくわたしの敵だ)、わたしの知らない作家の名前を持ちだして比較するようなものが多く、どうもインテリぶりが鼻につくようなのである。
 わたしはその新しい人たちのプロフィールを見て、ツイッターなどをのぞいてみる。ある若い男のツイッターは、プロフィール画像からして前衛的で、なんだかいかにも自意識過剰な、知識を盾に自分の要塞に閉じこもっているような人の匂いがぷんぷんするので、どうしてこのような人が、こんな古めかしい小説教室へなど来るのだろうと思う。