わたしは麻雀の店に入っていくようである。麻雀などやったこともないが、なぜこんな店に入ることにしたのだろう。
店内はほとんど喫茶店のようで、低いテーブルが並び、煙草の煙が立ちこめている。二人がけのテーブル、四人がけのテーブル、六人、八人ともっと大きなテーブルもあるが、どのテーブルにも誰か座っていて、対戦相手を待っているようである。
入口付近の四人がけのテーブルに、女性三人が座っている。店のボスのような雰囲気を漂わせた、五十代から六十代くらいの人たちだ。往々にして礼儀にやかましく、ちょっと親しくなるととたんにおせっかいおばさんに変貌するこの手の女性たちとは、正直あまり関わり合いになりたいとは思えない。その人たちはわたしをじろじろ見て、こいつはルールがわかっているのだろうかとでも云いたげである。
実際に、わたしはルールなどなにもわかっていないのである。こういう店でどのようにふるまうのがいいのかもまるでわからないが、その女性たちに聞くのも怖いし視線は痛いし、わたしはその前をそそくさと通り過ぎ、どこかいい席がないかと探して歩く。が、店内を一周してもどこにもわたしの席は見つからない。少々途方に暮れていると、例のおばさん集団が、
「あっちに用意のできてるテーブルがあるわよ」
とめいめいに入り口の脇のほうを指さして云うのである。いままで気がつかなかったが、そこにはさらに奥へ向かう通路があって、その先にテーブルがいくつか並べられている。窓際の日当たりのいい席には人のよさそうなおじさんたちが座っている席があって、そこはわたしが座るとちょうど人数もそろい、ゲームをはじめられるようになっていたのである。
麻雀店
夢
