本棚からユングの本が呼ぶので開いてみたら、ユングがインドに行ったときの紀行文のようなものが載っていて、インドの女性服はほんとうに女性の服であるとほめちぎり、西洋の女性服がまったく醜いことを嘆いたあとに、こう書いてあった。
インドでは、女性は太ってもなんとかなる。が、西洋では太った女性は断食して、餓死するよりほかない。
この文章は非常に示唆に富んでおり、太った女性に対して社会の加える数々の侮辱は、服に、そしてその服の体現するところの精神にその根を持っているかもしれぬと思った。ということは、服を変えればなんの問題もなくなるということである。考えてみると、洋服ほど体重の増減に厳しい服はないので、太ったの痩せたのと人がこんなに大騒ぎしなければならないのは、こんなものを着ているからだとも言える。洋服が本質的に痩せている人のためのものである以上、太った人はそれに従うこともでき、あるいはそんな手には乗らぬという自由もある。ある人が自分を魅力的に思えないということは、究極にはその服が悪いのである。

