読書記

読書記

ICH

急にファウストが読めるようになった。この夢のせいである。 ここ数日わたしはロゴスという言葉にとりつかれていて、ファウストの中に、ファウストがロゴスをどう訳すかということで苦心する場面があったような気がして、それを探すためにファウストをぱらぱ...

美人の友人

大学一年のとき、とても美人な友人が東京へ遊びに来て、一緒に原宿の街を歩いたことがあった。そのとき気がついたのだが、その友人と歩いているといろんな人が声をかけてくるのである。テレビの取材、なんとやらいう雑誌、街頭インタビューのたぐいいやなにか...
読書記

太古の記憶

白川静の『漢字の世界』を読みはじめたが、その中に前漢時代に編集された百科事典的な書物である『淮南子』の一文についての解説があり、非常に興味深かった。二、三日前にちょうど『淮南子』を読みはじめたばかりだったのでなおさら興味深かったのだが、とも...
読書記

ふたごころの猿

貝塚茂樹の『中国の神話』を読みはじめた。 中国には、中国人の現実的な気質や儒教の影響などがあって、神話らしい神話はあまり残されていないが、貝塚茂樹は古い文献を頼りに神話の再構築を試みている。これが非常に興味深いのだが、古代中国人は日本人と同...
読書記

悟空と三蔵

最近西遊記を読んでいるがこれが面白いのである。読みながらいちいち泣いてばかりいる。孫悟空と三蔵法師の関係に泣いているのである。 西遊記では、三蔵法師は徳の高いお坊さんということになっているけども、どうにも頼りなくて愚痴を云いがちで、純粋と云...
読書記

イグナチオ・デ・ロヨラ

頼んでおいたイグナチオ・デ・ロヨラの自叙伝が来たので一気に読んでしまった。 イグナチオは三十歳までは貴族の末子らしい奔放な生活を送っていた。武勲や世俗の名誉を求め、さる貴婦人に仕えることを密かに夢見ていた。ところが、戦で大砲の弾に当たって怪...
読書記

カジミール・マレーヴィチ

ひょんなことからウクライナの画家、カジミール・マレーヴィチの『無対象の世界』を読んでいる。 この人の絵はもうまったく具体的事物を離れて、感覚を表現することだけを目指しており(マレーヴィチによると、感覚だけが唯一人間にとって把握・表現できるも...
読書記

トビアの犬

聖書には実にたくさんの美しい物語があるけれども、トビト記はそのなかでも特に美しいもののひとつである。先日書いた、わたしの好きなハンス・カロッサという作家は、子どものころ、学校で計算問題をどうしても解けなかった。また、なぜ聖書の美しいお話のほ...