女性作家とのやりとり

 わたしは編集者かなにかの男とふたりで会議室のようなところにいる。白い壁といくつかの白テーブル、椅子が置いてあるだけの簡素な部屋で、床には黒っぽい絨毯が敷きつめられている。向かいに座っている50代か、ひょっとしたら60代の男は、スーツ姿で、冊子になったわたしの作品を読んでいる。
 ふと気がついたら、ある女性作家がとなりのテーブルにいた。編集者らしい男が、彼女に読んでいた冊子を渡し、どうか読んでください、絶対気に入ると思いますから、と云って、なにか用でもあるのか、足早に部屋を出ていった。わたしと作家はふたりきりで残された。
 その作家はしばらくわたしの作品を読んでいた。そして顔を上げ、にっこり笑って、ぜひこっちにいらしてください、ぜひこの世界にいらしてくださいと云う。