最初、夢でわたしは眠る直前の会話の記憶を再生しているように見えた。
それから、連続していたか非連続だったかわからないが、四角い透明なプラスチックの箱のようなものがあらわれた。
それはおそらくゲーム機の一種で、箱のなかには、なにかぶよぶよした丸っこいマシュマロのような物体がつまっており、そのなかから赤紫の玉を出すというゲームらしい。誰がゲームをやっているのか、箱以外の背景は黒いためわからない。また箱には操作レバーのようなものは見当たらない。だがそのうちに、箱の一面からゆっくりと暗い赤紫の玉が出てきた。箱には玉が出てくるような穴はあいていなかった。
これはわたしの初回夢というやつである。分析をはじめて一番最初に見る夢を初回夢といって、往々にして非常に意味の深いものが多いらしいが、この夢を分析家に話したところ、分析家は感動したと言っていた。
当時のわたしにはよく意味がわからなかったが、この夢のなかに、たしかにわたしのその後の方向性が示されているようにも思われる。この四角い箱には穴が開いていないのだが、それでも赤紫の玉は出てくるので、しかもそれは自力で出てくるのではなくて、誰が操作しているのだかよくわからないゲームの一環で、自然と出てくるのである。
どうもわたしはこういう人間らしく思われる。

