日記

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白鳥の乙女

散歩中、橋の上を通りかかると、そこにおびただしい数の白鳥の羽が落ちていた。数羽の白鳥がなにか死に物狂いの乱闘でもやったというような風情で、わたしはそれを見てすっかり考えこんでしまった。 その直前、わたしはある青年のことを考えていた。その人は...
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復活

ご覧のとおり、ワードプレスに嫌気が差して一度はやめてしまったが、また元へ戻した。過去の記事もおおむね復活させてある。 ウェブサイトの運営はなかなか難しい問題があって、結局どんな方法を採っても一長一短あり、その中でなにを優先し、なにをやりたい...
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祖母が死んだ日

祖母のいる施設から連絡があり、祖母が亡くなったということで、施設に確認に行ってきた。 施設を出て、乗ってきたトラックに乗りこみ、ふとダッシュボードを見たら、トラックのラジオがAM936の周波数を拾っていた。祖母は九時三十六分に終わったのだと...
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ゴキブリの死

寝る前に台所へ行ったら、小さなゴキブリが床を這っていた。とっさに殺虫剤を取りに走り、思いきりぶっかけて殺してしまったのだが、そいつは見苦しくあたりを走りまわったり、ひっくり返って悶絶したりしないで、台所の隅っこで静かに死んでいった。 死骸を...
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白鳥の研究

家のすぐ裏の田んぼは、雪が溶けて大地があらわになるこの時期、北へ帰る旅を間近に控えた白鳥たちの餌場になっている。彼らの一部は我が家の田んぼにいて餌をとっているのであるから、わたしはこれを観察する正当な権利を有すると考え、このところ毎日観察し...
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「戦場のメリークリスマス」鑑賞

十二月六日、早稲田松竹へ昔の映画を見に行く。大島渚特集をやっていて、「愛のコリーダ」と「戦場のメリークリスマス」をかけていた。どちらもはじめて見る。「戦場のメリークリスマス」は戦争映画だが戦闘シーンは一切なく、日本人兵と外国人俘虜たちのやり...
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実家へ帰る

母が電話で、わたしに数日前家に帰ってこなかったかと訊いてきた。寝室の鏡台の下に、パウダーファンデーションの粉が落ちていたが、母親はそういうものを使っていないので、わたしが帰ってきたのではないかと思ったそうである。 わたしはときどき自分でも知...
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ある日の日記から

スウェーデンの作家、ラーゲルクヴィストの『巫女』という小説をたまたま古本屋で見つけ、前日から貪るように読んだ。 ゴルゴダの丘に向かう途中のイエスに呪いをかけられて死ねない体になってしまった男が、自分の未来がどうなるのかについて助言を求めて、...